小林和作>エピソード
現実主義と東洋思想
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小林和作 和作の作品には作者のうちからおのずと発する独特の香気や気品がある。
和作の“技術”は真似できても“気品”は誰にも真似できない。
和作の絵には東洋的思想がある。
和作の画家としての出発は日本画から始まっている。
日本画時代と少年時代の現実主義に東洋思想を身に着けていった。
現実主義のエピソード:和作は少年時代から読書に明け暮れていた。
特に三国志などが好きで孫悟空は猪八戒のような怪物が活躍する物語より、
歴史上に実在する人物を忠実に再現しているほうが好きだった。
「事実はいかなる空想にも勝る」という言葉の意味においても人の作ったものより、
人と人とのぶつかりあい、からみあいといった人間の物語に興味を示す現実主義志向であった。
西欧画材による東洋の模索だったので、洋画家を勉強して画家になった人と決定的な違いがあると。
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